)"　という歌が。

1997.9 Yan and Jun

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　STO TE NEMA?(シト テ ネマ？なぜ君はいない？)

　なぜ君はいない？
　瑞々しい野の花の上で
　真夜中の沈黙が真珠に糸を通し、
　願望が私の胸を貫いて飛んでいく時、
　なぜ君はいない？
　なぜ君はいない？

　夢の中に憩い、魂は安らぎに向かう時、
　私の心に小さな声が蛇のように入り込む。
　なぜ君はいない？
　なぜ君はいない？

　あの美しかった日々のように、
　どの小道でも木々が花を咲かせた、
　清らかな水が泉からバラの上にふりかかる。

　露の下からヒヤシンスが見上げ、
　花から香りが立ち上る
　まるで私のために泣いているように
　苦しみの涙を落としながら

　なぜ君はいない？
　なぜ君はいない？
　輝く東の光が宝石の揺らめきの中に現れる時
　その時、心は一つの歌で目覚める
　なぜ君はいない？
　なぜ君はいない？

　溢れるばかりの幸福の瞬間にも
　悲しみがため息をつく時にも
　私の愛は一つの歌を始める
　なぜ君はいない？
　なぜ君はいない？

　ああ、哀れな私の心
　まるで誰かに刺されたように
　心は叫び　心は尋ねる
　「私のゼナはどこに行った？」

　罪深いのは夜明けの栄光？
　それとも神々しく輝く星？
　巣の中の小鳥の声のように
　罪深いのはきっと私の愛
　なぜ君はいない？
　なぜ君はいない？

モスタル生まれの詩人アレクサ・シャンティッチ(1868~1924)の詩につけられた曲を、モスタル・セヴダ・ リユニオンが演奏する。ユーゴスラヴィア崩壊に伴う内戦で失った人を想って歌う。
内戦から24年。悲しみは消えない。
純がいなくなってから4年。

2015．2．6　　　　　　　　　　　　　　　　by Mariko Machida