Jelem,Jelem

プロローグ2

町田純の覚え書きから

ポーランドはソリダルノスチ(連帯)の民主化運動、東ドイツから西側への流民、ソビエト連邦の動揺、バルト三国の離脱への動き……世界は大きく変わろうとしていた。ルーマニアもユーゴスラビアもこうした不穏な雰囲気の中にいた。

ユーゴスラビアの村々をフィールドワークしながら、たまには気晴らしにザグレブやノビサド、ベオグラード、サラエボの街に出て、カフェでぼんやりと考えごとをしたり、ボリス・コヴァーチやダルコ・ルンデクのライブ・コンサートに出向いたりした。Idoliも愉快だったし、リュブリアナ・フィルの演奏は素晴らしかった。


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