草原の祝祭」の音楽より…イスタンブール、カフェ

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目の前の大きな、ネコはそう言って自慢気に長いひげを動かした。
確かに大きな、半分トラ柄のネコでおなかは白かった。そして被っている赤いトルコ帽は妙にしっくりなじんでいた。今どきトルコ帽を被って歩き回るネコはそう見当たらないのに。
(オスマン)帝国も既に黄昏時すらとっくに過ぎて、消えかかっていた。
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トルコ帽のネコは再び面倒臭そうな顔をして、一瞬ためらった後に、口を開いた。
「樅の木ですよ。永遠の」
「モミノキ?…モミの木…樅ですか?」
「ええ」
「それは、唐突な…」
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それでは、そろそろ失礼しますと言うと、トルコ帽をきちんと正してから、私の足下のネコを大切そうに抱えて、カフェを出て行った。
ネコがネコを抱いて歩く姿を私は生まれて初めて目のあたりにした。尻尾が霧に没しそうになる瞬間、---ではまた---とでも言うように大きく波を打った。

The cat sat back and twitched his whiskers proudly. He had ginger stripes on his back,
and a white stomach. And the Turkish hat looked quite natural on him,
although you don't see that many cats wandering around with Turkish hats on.
The (Ottoman) Empire was in its twilight and was beginning to decline.

メフメット・アーキフ作曲 トルコ共和国独立行進曲  

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