驟雨はあたふたと通り過ぎていった。大気はきれいさっぱり洗われて、高窓のプリズムを通った白色光線が割れたシャンデリアに虹色をプレゼントした。ボクが押さえていたテーブルクロスにも透き通った初夏の光が当たっていた。
そして、さっきまではほとんど感じられなかったスズランの香りが室内に漂った。

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