室内はどことなくこざっぱりした印象だった。ところどころ板でふさがれたままの窓以外は、明るく外の光が射し込み、高窓からはそれこそ教会のステンドグラスを通す光のように、わずかな虹色を帯びた陽の光が、室内の空間をよぎる大胆な対角線を引いていた。 そしてそのかすかな青色の、ほのかなピンクの、そして淡いグリーンの混じった光の交差する中心に、シメ君がポツンと、亀裂の入ったテーブルに向かって坐っていた。 テーブルの端には、初めて目にする、アールデコ風のちょっとかわった球形にデザインされた小さいサモワールが、圧倒的な金色に輝いていた。よく見るとそれは鳥の翼の把っ手と、鳥の頭と嘴の注ぎ口を持っていた。 |