二月、ボクは春を予感しながら唐檜(とうひ)の森へと下った。
春を夢見てひたすら眠る、窓辺のドングリを握って。
空はどんよりしていたけれど、幸い、降る気配はなかった。
ウサギやシカ、それに何だかわけのわからない連中の踏み跡をたどり、森へ分け入った。

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