9 タシケント | ||||||||||||||||||||||||||||
町の中心部に向かって並木の通りを歩いて行くと、建物の前に椅子を出して老人が1人腰掛けている。上着の胸についている沢山の勲章に目を奪われていると、老人は杖で鉄砲を構える仕草をした。「戦争でこんな風に戦って、勲章を貰ったのさ」と言っているのだろう。 先に進むと大きな噴水のある広場に官庁の近代的なビルが並んでいる。道を隔てて大きなモスクがある。立派なモスクだが、観光用に整備されてはいないようだ。モスクの正面に大きなラクダのぬいぐるみとロバのぬいぐるみが置いてある。日本の公園だったら、プラスチック製のパンダやカバがあって、小さな子供が乗って遊ぶ。タシケントのラクダとロバはそれよりも大きくて、茶色の毛で覆われてる。ソ連は宗教を認めなかったから、倉庫にも観光用にもならない宗教施設は、せめて遊園地化しようというのだろうか? 不思議なラクダ一頭ロバ一頭、跨ってみたら結構楽しかった。 |
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モスクの前のラクダとロバ | ||||||||||||||||||||||||||||
バザールの花売り場 | ||||||||||||||||||||||||||||
そして勿論、またバザールへ。ここのバザールも広くて活気に溢れている。野菜・果物・香辛料のほかに、花も売っている、伝統のアトラス柄(矢がすり)の絹の服も売られている、日本と同じ入浴用のヘチマを売るおじいさん、グラインダーを回して刃物を研いでいる人もいる。 |
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アトラス柄の服 | 奥で刃物を研いでいる | |||||||||||||||||||||||||||
中央アジアの旅もここで終わり。 明日はハバロフスク、そして新潟。 |
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イスラムの歴史的建造物はどれも美しく、夢中になって見たけれど、まあそれだけ。 瓦礫と化した遺跡や発掘現場の見学は、焼けるような直射日光の下であればなおさら愉快なものではない。 どの町も、どのバザールも面白かったけれど、だからもっと自由に歩き回ってみたいという欲求不満が積み重なっていった。それで、これが最後のツアー旅行となる。 |
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タシケント駅 列車にも乗ってみたかった。 |
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10 そして、ヤンのシリーズとの関連は? 11 エピローグ に続く |
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