2017.2.7 "占いウサギ"の占い
1917年のロシア革命から今年はちょうど100年。
 このロシア革命の戦乱を逃れて、クリミアから黒海を渡ってイスタンブールにたどり
 着いたヤンは、1920年12月、占いウサギに出会う。
 「イスタンブールの占いウサギ」は、ロシアからの亡命者が溢れ、アルメニア独立運動に
 関わる者たちが潜むイスタンブールの街を舞台にした物語だった。

 ロシア革命に続く100年は戦争と革命の世紀だった。
 2つの世界大戦と様々な革命、独立運動、解放闘争が続いた。
 そして、2016年11月、キューバ革命の指導者フィデル・カストロが死んだ。
 "革命の時代"の終焉、"革命"という言葉が激しい闘争と熱い希望と共にあった時代 が過ぎ
 去ってしまったことを改めて告げるような出来事だった。

 
2017年、ロシア革命から100年。
  遠くから聞こえるようでいて、近くにいるみたいな、懐かしい声が聞こえてくる。
  「占いウサギだヨ〜、イェニの占いウサギだヨ〜」
  「イェニのウサギによる占い。ヒク、ヒク……エーと、人間は耳に心地良い空疎な
  言葉を叫ぶ権力者を支持して、差別と分断と抑圧の時代へと逆行して行くであろう。
  戦争や紛争やテロが無くなっては困る軍需産業、……ヒク……金を動かすだけで利益
  を生み出す金融システム、大企業だけに利益が集中し、……ヒクヒク……、
  そんなヤツらの金で世界は意のままにされるであろう。エーと、しかし、その次には
  粘り強く静かに、自由と平等と平和を目指す革命が続くであろう。暴力によって
  ではなく、人々の意志の結集によって。……ヒクヒク」

         
そういえば、いつだったろう、
    「カストロを後ろに乗せてオートバイで東京を走る夢を見た」
         と、町田純は愉快そうに話していた。

2017.2.7 by Mariko Machida
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